声かけに必要な接遇マナー

看護師の「声かけ」は、大切な仕事の1つです。患者さんとコミュニケーションをとることで患者さんの不安を軽減したり、信頼関係を築くことで、治療を円滑に進めることができます。しかし、このコミュニケーションの取り方に失敗してしまうと、不信感を抱かれ思わぬクレームに発展することもあります。

声かけ1つにしても、接遇を意識することが重要です。まず、基本とも言われる挨拶は、忙しくても、何かをしながらではなく、視線を合わせて行いましょう。ここで、きちんと患者さんをみることで、様子の変化にも気づくことができ、患者さんも見てくれているという実感が持てます。

話し方も重要です。間違った敬語や、親しみを込めてタメ口を使う看護師もいますが、親しいと馴れ馴れしいとでは意味が違います。当の患者さんが良くても、横で聞いている患者さんは不快に思っている可能性があります。正しい敬語も大切ですが、敬語は事務的になりやすいので、柔らかい表情で話しかけましょう。

また、「はい」や「いいえ」だけで答えられるような質問をクローズドクエスチョンと言い、話が広がらず、何度も繰り返すと不快感を与えます。例えば、足を怪我している人に、「足が痛むんですか?」「血が出てますが、ズキズキしますか?」などです。一方、「足を怪我されたんですね、どうされたんですか?」など、自由に答えられるオープンクエスチョンをすると、多くの情報を得ることができます。

声かけは、患者さんの不安を取り除いたり、信頼関係を築き、治療を円滑に進めるだけではなく、病状悪化を防いだり、隠れた疾患を素早く発見するために重要な業務です。