看護師の業務には、患者さんに対する声かけがあります。患者さんとコミュニケーションを取ることで、患者さんの抱える不安を軽減したり、治療への意欲を向上させるという目的があります。
患者さんは、痛みや治療に対する不安だけではなく、入院などで環境が変わることや、生活が変わることへの不安、経済的な不安や仕事や学校、育児の不安など、様々な不安を抱えています。
しかし、不安を口に出さずに抱えたままの人もいます。コミュニケーションを頻繁にとることで、患者さんの隠れた不安や、ちょっとした異変に気づく事ができます。
例えば、痛みに耐えていたり、気分が悪くても口にしなかったりする人もいます。こうした患者さんの何気ない変化をコミュニケーションを通して気づき、体調悪化を防いだり、隠れた疾患を早期発見する効果もあります。
さらに治療方法や、手術の説明などの声かけは、とても大切です。患者さんは専門的な医療の知識がないため、治療や手術に対して大きな不安や、ストレスを感じています。病気に関して頼れるのは、医師や看護師などになりますので、この説明で不安を軽減させる必要があります。
また、コミュニケーションをとることで、信頼関係を築くことができます。この信頼関係は、治療を円滑に勧めていくために重要です。患者さんに寄り添った看護をするためには、患者さんの精神的な状態や肉体的な苦痛をよく理解することが必要です。そのためにも、声かけは重要な業務の1つだと言えます。